バンザイ寝は身体からのSOSかも!バンザイになる原因と解消法
寝るときはどんな姿勢になると寝やすいですか?
手を胸で組んで寝る、横を向いて寝るなど、寝姿勢は人によってさまざまです。
落ち着いて眠りにつける姿勢が自分に合っていると思い、毎日その姿勢になりがちですが、「バンザイ」の姿勢で寝ている人は、注意が必要です。
バンザイの姿勢で起きた朝は、なんだか肩がこっていたり、腕がしびれていたりしたことがあるでしょう。
実は、このバンザイ寝には、重要な体のSOSサインが隠されていたのです。
腕のしびれを引き起こす血行不良もそのひとつです。
このサインを見逃さないためにも、バンザイ寝の原因と続けることによる悪影響を知り、改善していくことをオススメします。
無意識のうちにやっているかも! バンザイ寝とは
バンザイ寝とは、読んで字のごとく、両手を上にあげて「バンザイ」の姿勢で眠る寝相のことをさします。
この姿勢をとると楽に眠れると感じ、癖になっていることもありますが、体の不調が関わっている可能性があります。
眠る前から、この姿勢をとっている人はわかりやすいのですが、睡眠中に無意識にバンザイ寝をしていることもあります。
朝起きたときに、以下のことが当てはまる方は、バンザイ寝をしている可能性が高いです。チェックしてみましょう。
- 起床時にバンザイの姿勢になっている
- 起床時に腕がしびれたり、血が通っていない感覚になったりする
- 起床時に腕が冷えている
生後間もない赤ちゃんに多くみられるバンザイ寝は、呼吸を助ける役割や体温調整に役立っています。
これは、身体機能が未発達なために起こるのですが、大人の場合は身体機能が発達しているのに、なぜ起こるのでしょう。
次で、バンザイ寝の原因となる身体からのメッセージを探っていきましょう。
バンザイ寝をする原因は筋肉にあった!
先ほど、赤ちゃんは身体機能をフォローするためにバンザイ寝をしていると伝えました。
実は、大人の場合も体の働きに原因があるのです。以下がバンザイ寝をする主な原因です。
- 背中の筋肉が緊張している
- 首のこり、肩こり、脳疲労
- 呼吸が浅い
ひとつずつみていきましょう。
背中の筋肉が緊張している
いつもデスクワークなどで姿勢が固定されていると、その間、筋肉は緊張しています。
この緊張状態が長く続くことで、血行が悪くなります。血行の悪さは首のこり、肩こりにつながり、背中に痛みが出ることもあります。
デスクワークだけでなく、日常的に姿勢が悪い人や運動不足の人も、少ない筋肉量で負担が大きいという点で、背中の筋肉が疲れやすくなっています。
首のこり、肩こり、脳疲労
背中の筋肉は緊張状態が続くことで、「こり」や「疲れ」につながります。とくに猫背の人は首こりや肩こりを起こしやすく、様々な体の不調を招きやすい状態にあります。
現代の生活の中で、長時間のスマホやメール、ゲームなどは身近にあり、首こりや肩こりを起こす原因はそうした生活習慣の中で積み重なっていきます。
脳疲労は、集中力や判断力が落ちるなど、脳の働きが低下していることを指します。
長時間にわたって脳を働かせすぎると、次第に気分が落ち込んだり体が思うように動かなくなったりなど、生活に支障をきたすこともあります。
こうした脳疲労には、質の良い睡眠が一番です。
呼吸が浅い
空気を取り込むためには、肺の外側にある肋骨の働きが重要です。呼吸が浅い人ほど、空気を取り込むための肋骨の動きが悪く、酸素を十分に取り込めていないことになります。
肋骨の動きは、背中の筋肉とも影響しています。筋肉が硬くなっていると、肋骨の動きが悪くなり、呼吸が浅くなってしまうのです。
このように、バンザイ寝をする主な原因は、それぞれに関係があり、バンザイすることで、知らず知らずのうちに楽な姿勢をとっているのです。
バンザイ寝を続けていると不調のスパイラルに
バンザイ寝が体にとって楽な姿勢なら、そのまま続けていればいいのでは?…と、思ってしまいがちです。
しかし、寝ている一時は楽であっても、これが長期に及ぶと悪影響を与えるきっかけとなってしまうのです。
バンザイ寝が及ぼす悪影響
赤ちゃんのバンザイ寝は、体重が軽いため、身体への負担が少なく悪影響はあまりないといえます。
しかし、大人の場合は、身体への負担が大きくなり、様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
●血行不良
手を挙げた状態でいると、筋肉は楽ですが、おなじ姿勢でいることで血液の流れが悪くなり、血行不良を引き起こします。女性に大敵の冷えを起こす原因ともなるのです。
もともと首こりや肩こりがある人は、それを悪化させてしまうこともあります。長年続けることで、四十肩や五十肩のように、痛みを伴う症状のリスクを高めてしまいます。
また、美容面では、顔のむくみやたるみを引き起こすこともあります。
バンザイ寝をしていて、しびれたり、血が通わない状態になったりしたことがある人は、寝ている時に血行不良を起こしている可能性が高いので、注意しましょう。
●睡眠時無呼吸症候群のリスク
バンザイ寝をしている状態だと、顎を圧迫する形となり、空気の通り道である気道が狭くなってしまいます。
これがいびきの原因にもなり、ひどくなると睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めてしまいます。
寝やすいから…と続けていたバンザイ寝ですが、体に及ぼす悪影響を知ってしまうと、改善せざるを得ませんね。
まずは原因となる「筋肉の緊張」をほぐしていく必要があります。次でご紹介する改善方法を実践して、バンザイ寝を卒業しましょう。
筋肉をほぐしてバンザイ寝を改善する方法
背中の筋肉が緊張状態のままでは、寝るときの姿勢に気をつけていても、睡眠中に自然とバンザイ寝をしていることもあります。
筋肉の緊張を緩め、首や肩の血行をよくするよう、意識して過ごすようにしましょう。
筋肉の緊張をほぐす
筋肉の緊張をほぐすためには、定期的に運動したりストレッチをしたりすることをオススメします。適度な運動は、体を適度に疲れさせ、心地よい眠りに誘います。
ストレッチはリラックス効果に加えて、筋肉がほぐれてこりを改善し、疲れを取りやすくしてくれます。
ここで、ひとつ筋肉の緊張をほぐすストレッチをご紹介します。オフィスの椅子の上でもできる簡単なものなので、習慣としてとりいれてみてください。
【肩甲骨ストレッチ 肩甲骨回し】
2 あげた両肩をぐっと下げる
3 もとの位置にもどし、背中を丸めるようにして、肩を前方に突き出す
4 肩を上・後方・下というように、回転させる
5 逆回転をする
6 4と5を10回ほど繰り返す
運動もストレッチも、血行を促進させ、体を温めてくれます。
ただし、続けていて痛みが出た場合はすぐに中断するようにしてください。無理のない範囲でリラックスして行なうようにしましょう。
肩こり対策については次の記事「ひどい肩こりによって起こる肌トラブルと、自分でできる解消法」でも紹介しています。
寝具の見直し
呼吸が浅くなるのが原因でバンザイ寝をしているとしたら、枕の高さを見直して見ましょう。
枕が自分に合っていないことで、気道が圧迫され呼吸が浅くなっているのかも知れません。
高さが合っていると、寝ている時の首の緊張がなくなり、リラックスして眠ることができます。
できればやや硬めの枕を用意しましょう。柔らかい枕よりも寝返りがしやすく、それによって、血流が滞るのを防ぐことができ、疲れにくくしてくれます。
枕の選び方については、こちら「肩こりの原因は枕かも!正しい選び方でツライ肩こりを解消しよう」を確認してくださいね。
疲れを最小限にとどめる習慣を
長時間スマホやデスクワーク、積み重なるストレスなど、疲れやすい生活が多い現代では、健康な身体づくりが大変重要です。
バンザイ寝は疲れの溜まった身体からのSOSとして、あらわれたものです。
寝るときは楽だからいいや…と、癖としてとらえるのではなく、その後の悪影響を及ぼさないためにも早くから改善することをオススメします。
一日30分の運動を習慣づけるなど、血行をよくする習慣を身につけ、健康と美肌を手に入れましょう。
またバンザイ寝ではなく、うつぶせ寝であれば良い効果を得られることも。詳しくは「うつぶせ寝で肩こりや腰痛を改善!毎日リラックスして熟睡しよう」で確認してみてください。
あなたもコメントをどうぞ!