ほくろが増える原因とは。自分でできる増やさない対策
「明らかにほくろが増えている…」鏡を見たりお風呂に入ったりした時に、気づく瞬間。初めは気にしていなくても、数が増えてくるとそうも言っていられませんよね。
「病気?」「皮膚がん?」と心配をしたり、目立つ所だと除去を考えたりすることもあるのではないでしょうか?
まずは知識をつけましょう。知っていることで安心できることもあります。危険なほくろの見分け方やほくろが増える原因、増やしにくくする対策について解説していきます。
民間療法ではありますが、自宅にいながらほくろを除去できる方法もあるようです。そちらも合わせてご紹介します。
ほくろの種類
ほとんどの人は体に複数のほくろがあると思いますが、よく見ると色や形、大きさが違いますよね。
ほくろにも種類があるのでしょうか?また、病気になりやすい危険なほくろの見分け方はあるのでしょうか?解説していきます。
ほくろには種類があり、シミとは異なる
ほくろとは、顔や体にできる黒っぽい斑点のこと。メラノサイト(メラニン色素)が皮膚の一部に集中してできるもので、大きく分けて「単純黒子」と「色素性母斑」の2種類があります。
「単純黒子」は、皮膚の表皮基底層の部分にメラニン色素が集中したものです。
一方、通常「ほくろ」と呼ばれているのが「色素性母斑」です。メラニンを作る母斑細胞が増えて、徐々に盛り上がってくるほくろのことです。
「色素性母斑」は、別名「母斑細胞性母斑」や「色素細胞母斑」とも呼ばれています。ほくろの深さによって、さらに「境界型」「複合型」「真皮内型」に分けられます。
★境界型
表皮の浅い部分、真皮との境界部分などに、母斑細胞が増殖してできます。紫外線の影響を受けやすく、数が増えたり大きくなったりする可能性があります。
★複合型
境界線を越えて、真皮の奥まで母斑細胞が拡がってできます。
★真皮内型
真皮の中だけに母斑細胞があるタイプです。「複合型」や「境界型」が変化したものと言われています。
また、直径1~5mm前後の赤いほくろは、年齢を重ねることで増えてくる「老人性血管腫」。通常よりも色が濃く青みを帯びているほくろは「青色母斑」と呼ばれています。
先天性のほくろと後天性のほくろがある
ほくろには、先天性のものと後天性のものがあります。先天性のほくろは遺伝子による影響が高いと言われており、思春期ぐらいまでにできるものです。
後天性のほくろは、思春期以降にできます。後述しますが、紫外線の影響が最も大きいと言われています。
危険なほくろの見分け方
最も怖いのが、皮膚がんの一種「メラノーマ」です。メラニン色素が関係してはいるのですが、悪性化し腫瘍になったもののことを言います。ほくろに見えますが、実は違うのです。
日本人のメラノーマの発症率は低いとも言われており、多くのほくろは問題のないほくろです。ただ以下のようなほくろがある場合は、皮膚科で一度診てもらうことをお勧めします。
・大きさが1cm以上
・大きさや形、色が短期間で変化している
・色が均一でなく濃淡があり、周りがギザギザ
・形が左右非対称、アメーバ状などいびつ
・表面から血液や体液が出ることがある
・硬さが増している
対して、黒く丸いほくろ、色が均一でムラがないもの、大きさが5mm以下で変わらないもの、徐々に大きくはなったが5mm以下で成長が止まったものは、危険性がありません。
足の裏や舌にほくろがある場合、がんになりやすいので要注意です。どちらも刺激が加わりやすい場所で、ほくろは刺激を与えすぎることにより、がん化する可能性があるからです。
実際にがん化するのは10人に1人程度ですし、皮膚科でも経過観察で終わるかもしれません。しかし他の場所に比べて危険なのは事実ですので、一度診てもらった方がよいでしょう。
ほくろができる原因
後天性のほくろができる原因。紫外線の影響が最も大きいですが、その他にもあります。3つに分けてご紹介します。
紫外線
紫外線を浴びると、肌を守るためにメラノサイトがメラニンを作り出し、紫外線を吸収します。
新陳代謝が活発で肌のサイクルが正常であれば、元の状態に戻ります。しかし最近ではオゾン層の破壊で有害な紫外線が降り注いでいることにより、肌へのダメージは大きいです。
大量の紫外線を浴びることでメラノサイトが過剰に活性化したり、メラニンが作られすぎたりする場合があります。すると体外への排出が十分にできず、ほくろとなります。
過去に大量の紫外線を浴びていた人が、年齢を重ねた頃にほくろとして現れることもあるようです。
外部刺激
外部刺激とは、こすれたり圧迫されたりすることです。頻繁にこすれたり、強く圧迫されたりすることで細胞が傷つき、ほくろとなります。
たとえば以下のようなことが挙げられます。
- きつい下着や靴などで、皮膚がこすれる
- 体の同じ部分に、熱や重量が常にかかる
- メイクをする際、肌をスポンジやブラシでこする
メイクの際、肌荒れや吹き出物ができている時は刺激が加わりやすいです。特に注意しましょう。
ホルモンバランス・ストレス・疲労
生理前や妊娠中は、女性ホルモンの一つ「プロゲステロン」の分泌が増えます。これはメラノサイトを活性化し、メラニン色素を増やす作用があるのです。
通常ターンオーバーが正常であれば、メラニンを排出してほくろにはなりません。しかし妊娠中は期間が長く、排出しきれないメラニンがほくろとなることがあります。
生理前のプロゲステロンが増える期間は約1週間。期間が短いため、生理前という理由だけでほくろが増えるとは考えにくいです。
しかし以下のような条件が重なることで、肌のターンオーバーが乱れます。メラニンを排出しにくくなり、ほくろが増えることもあるのです。
- 睡眠不足
- 肉体的・精神的ストレス
- 偏った食生活
いずれも自律神経、ホルモンバランスの乱れにつながり、代謝が悪く疲れやすい体になります。これがメラニンを排出しにくい原因となってしまうのです。
ほくろを増やしにくくする対策
これ以上ほくろを増やさないための対策を、4つに分けてご紹介します。いずれも美容・健康につながるものばかり。積極的に行なっていきましょう。
紫外線に気をつける
ほくろの原因である「メラニン色素」。まずはこれを体内でつくり出さないために、紫外線対策は必須と言えます。
基本的に、1年中対策をしましょう。3月頃から徐々に紫外線が強くなると言われていますが、冬でも降り注いでいます。
曇りの日でも、晴天時の約6割は降り注いでいます。ピークである夏季の午前10時~午後2時は、ほんの少しの時間でも影響を及ぼします。
日焼け止めクリームやローションは、首の後ろ、耳の後ろ、手の甲、足の甲も忘れずに塗りましょう。日焼け止め以外にも、以下の物を併用させるようにしましょう。
- 帽子
- 日傘
- UVカット眼鏡・サングラス
- ラッシュガード
黒や紺など濃い色の方が、紫外線を通しにくいです。目の周りの皮膚は体の中でも特に薄いので、できればUVカット眼鏡かサングラスをかけた方がよいでしょう。
紫外線は、多少浴びることでのメリットもあります。大量に浴びても、「必ずほくろになる」というわけではありません。
外部刺激に気をつける
きつい下着や靴を身に着けるのは避けましょう。体の同じ部分に重量や圧力がかかり続ける行動は、こまめに休憩を入れるなど工夫をするとよいです。
お肌、特に顔はやさしく扱うようにしましょう。洗顔・スキンケアは、指先という「点」ではなく、手のひらという「面」を使って触れるとよいそうです。
メイクをする際も、清潔で柔らかいスポンジやブラシを使うようにしましょう。ニキビや吹き出物の上からこすると、跡がそのままほくろになることもあります。
セルフマッサージをしている人もいると思いますが、自分で行うマッサージはどうしても力が入りがち。「こする」ことは肌の老化にもつながりますので、十分に気をつけましょう。
睡眠をしっかりとる
ほくろの原因となるメラニンを排出させるため、肌のターンオーバーを活性化させましょう。そのためには、成長ホルモンの分泌を促すことが大切です。
午後10時~午前2時の間に寝ると分泌を促すという説がありますが、必ずしもそうとは言えないという声も出てきています。
成長ホルモンは、睡眠時に必ず分泌されているものです。しかし質の悪い睡眠や短すぎる睡眠では、十分な成長ホルモンが分泌されません。
仕事や育児で難しい場合もあると思いますが、毎日同じぐらいの時間に眠りにつくと、質のよい睡眠につながりやすくなります。
また何時から寝ようと、寝入ってから3時間の間が最も成長ホルモンが分泌されるという説もあります。
- 寝る前のPC、スマホ、テレビなどはやめる
- 寝る前のカフェイン・アルコールを避ける
- 寝る前に軽いストレッチをする
- 照明はできるだけ真っ暗にする
- 寝具・部屋の温度湿度や静けさなどの環境整備
これらに気をつけ、自分が質のよい睡眠をとれる対策をとるようにしましょう。仕事や育児などで難しい場合は、こまぎれでも睡眠がとれる工夫をしていくとよいです。
代謝を高める体づくり
代謝を高めるとメラニンの排出を促し、ほくろができにくくなります。血行が良くなるため冷えやむくみ、疲れやすさの解消、ダイエットや免疫力アップにもつながりますよ!
代謝を高めるため、以下のことを積極的に生活に取り入れましょう。
- たんぱく質や緑黄色野菜を含む、バランスの良い食生活
- 軽い運動や、意識的に体を動かすようにすること
- 湯船に浸かる、半身浴など体を温めること
- 腹式呼吸や瞑想を行うなど、呼吸を深くすること
どうしても消したいほくろは…?
すでにできてしまったほくろは、ほとんどの場合消えることはありません。全部ではなくても、「ここだけは消したい…」というほくろもあるでしょう。
自宅で除去できる方法がありますが、顔など失敗が許されない場所だと怖い場合も…。自己責任で行うことになりますので、失敗談も含めてご紹介していきます。
皮膚科・美容外科で相談
どうしても消したいほくろ、特に顔のほくろなどは、皮膚科、美容外科、形成外科など、医師のいるクリニックでまず相談するのが賢明です。
レーザー治療、メスでくりぬく方法、電気分解法などがありますが、ほくろのタイプや大きさによって、方法を提案してもらえるでしょう。
料金はほくろのタイプや大きさ、どんな方法かによって異なりますが、1つのほくろで5,000円~20,000円ぐらいです。保険が適用されれば、自己負担額は減ります。
専用のクリームを使う方法
クリームもしくはジェルを塗るだけなので、手軽です。「毎日クリーム(ジェル)を塗る→かさぶたになる→2週間ぐらいでほくろ除去」という流れになります。
ほくろ除去クリームには、ハーブ系や漢方系のものがありますが、残念ながら日本では売られていません。個人輸入サイトや海外化粧品輸入サイトなどで、購入します。
インターネットで手軽に購入できるものとして、以下の2種類があります。
- ウバイ製油膏(傷跡クリーム&保護パッド付き)…15,800円
- 製油ジェル(傷跡クリーム・保護パッドセット品)…7,980円
どちらも台湾製で、日本で最も売れているため、口コミや体験談がネットで見られます。ただ、飽くまで自己責任での使用。未成年の人は使えないとのことです。
「毎日塗って、気づいたらポロっととれた」「ほくろの悩みがなくなった」など、成功した口コミが多くありました。しかし中には失敗談もあります。
・ほくろはとれたが、赤く跡が残ってしまった
・皮膚にクリームが付き、やけどのような症状が出た
また、塗るとピリピリしみたり、多少痛みを感じたりもするようです。後ほど詳しく述べますが、ほくろ除去後のケアをしっかりしないと、色素沈着しやすくなるそうです。
説明書を熟読した上で、まずは足などで試すようにしましょう。使い慣れてから、目立つ首や顔などのほくろ除去に進んだ方がよさそうです。
年齢を重ねてからできた色の薄いほくろの場合、シミやそばかすの除去を目的としたクリームでほくろがとれたという口コミもありました。
効果の保証は全くありませんし、こちらも自己責任での使用になります。しかし海外製のクリームを使うのが怖いという人は、試してみるのも一つでしょう。
お灸をすえる方法
お灸は中国で発明され、体の特定の部位に温熱刺激を加える民間療法です。血行をよくし、体の疲れやコリ、ハリの症状を和らげます。
日本には奈良時代に伝わり、江戸時代に再流行するなど、昔から親しまれています。ほくろ除去にも昔から使われていたと言います。
使う物は、ヨモギの葉を原料とした「もぐさ」です。ほくろ除去専用のもぐさがあり、市販のもぐさよりも値段は高いですが、失敗しにくいようです。
① ほくろの上に、もぐさをのせる
② 火をつけた線香で、もぐさに火をつける
③ もぐさが灰になるまで待つ
これを数日続けて様子を見ます。徐々にほくろがかさぶたのようになり、ポロッととれるそうです。以下のことを注意して行うようにしましょう。
- 米粒ぐらい(1~2mm)の大きさのもぐさをのせる
- 線香を直接肌にあてず、もぐさの先にあてるようにする
- かさぶた・水泡は、自然にはがれるまで辛抱強く待つ
大きなもぐさを使うと、火が必要以上に熱くなりヤケドをします。大きなほくろを除去したい時は、米粒ぐらいの大きさのもぐさを数個のせるとよいでしょう。
ただ、盛り上がったほくろは熱が芯まで届きにくく、効果が低いようです。
成功してほくろも悩みも消えたという口コミがある反面、やはり失敗したという口コミもあります。
・通常はいずれ消えるはずの赤みが、結局消えなかった
・通常はいずれ元に戻るはずの凹みが、結局戻らなかった
・ヤケドをしてしまい、かなり痛かった
口コミや体験談、ほくろ除去専用もぐさの販売サイトなどをしっかりと見て、自己責任で慎重に行いましょう。
カソーダを使う方法
カソーダは、ヒマシ油と重曹を混ぜたものです。インターネットでも多くの種類が販売されており、値段もお手頃です。
方法も、入浴後に綿棒でほくろの部分にこんもりのせるだけ。朝になったら洗い流し、新たにカソーダをのせるか、もしくはまた入浴後にのせるのでもよいそうです。
これを続けていくと、数日~1か月程度でほくろが変色し、乾燥してかさぶたのようになります。自然にはがれ落ちるまで辛抱強く待つと、ポロッと一緒にほくろがとれます。
簡単なのですが、注意点がいくつかあります。
- 刺激が強いので、他の皮膚につかないよう絆創膏や保護パッドを貼る
- 使用前に、腕や足など目立たない場所でパッチテストを行う
- 高校生以下は使用しない
- 肌にのせた時にあまりにもヒリヒリする場合は、使用を中止し皮膚科に行く
思うような効果が得られなかったという口コミも、当然あります。
・ほくろはとれたが、跡が残ってしまった
・ほくろが薄くはなったが、完全に消えなかった
・赤みがいつまでたっても消えない
値段や方法は手軽ですが、自己責任で慎重に行いましょう。敏感肌の人は、特に気をつけるようにしましょう。
ほくろ除去後のケアについて
「ほくろがとれた!嬉しい!」…と思えたとしても、これで終わりではありません。皮膚科や美容外科で除去しても、自宅で除去しても、アフターケアはかなり重要なのです。
アフターケアを怠ると、ほくろ以上の悩みになることさえあります。
- 除去跡が残る
- 色素沈着する
- 患部が盛り上がってくる
皮膚科や美容外科などで除去した場合は、アフターケアについてしっかりと説明を聴き、それをきちんと守ることが大切です。
たとえばレーザー治療の後は、肌色のテープを一定期間患部に貼ります。目立つからと数日でやめる人もいるようですが、患部が盛り上がってこないようにするために大変重要なのです。
レーザー治療をしてもほくろが完全に消えない場合もありますが、何度かレーザー治療を繰り返すことで目立たないようにもできるようです。心配なことは、除去前にすべてクリニックで確認をしておきましょう。
また自宅で除去した場合にも言えることですが、ほくろを除去した箇所は皮膚が薄くなっています。メラニン色素がより沈着しやすいので、再びほくろができることもあります。
先に述べた紫外線対策を念入りに行ないましょう。日焼け止めクリームは、紫外線吸収剤の入っていない物を選びます。「敏感肌用・ベビー用」と記載のある物を、チェックしてみましょう。
色素沈着をなるべく避けるため、以下のことをしないよう注意もしましょう。
- 患部を触る、こする
- ナイロンタオルなど、硬い物で摩擦を加える
- 除去跡を美白石鹸で洗う
対策をしっかり、除去は慎重に!
「ほくろは色気につながる」「ほくろ占いを楽しもう」という声もありますが、本当に悩んでいる場合、なかなか難しいものです。
これ以上ほくろを増やさないための対策は、美容と健康にもつながります。早速今日から始めましょう。
自宅でのほくろ除去を考える場合、繰り返しになりますが自己責任です。どの方法にも多少のヒリヒリや痛みがあり、お灸には熱さが伴うためヤケドや火事にも注意です。
クリニックで行う場合も含め、完全にきれいになるとは限りません。特に自宅での除去は失敗してしまう場合もありますが、悩みが消えて明るく過ごしている人もたくさんいます。
多くの種類の口コミや体験談、説明書などを熟読し、くれぐれも慎重に試していただきたいと思います。
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